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2005/01/23

【気象】センター試験で北東から寒冷前線

東京新聞Web版(1月19日)で
「センター試験 英語の正解理科なら×
 気象予報士森田さん指摘」という記事が掲載されました。

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 十五日に行われた大学入試センター試験の英語で、実際にはあり得な
い寒冷前線を描いた天気図=図=が「正解」とされていることが、天気キ
ャスターで気象予報士の森田正光さんの指摘で分かった。同センターは
「問題を作った先生の意見を聞いた上で、対応を決めたい」としている。

 指摘されたのは、天気予報に関する英文を読んで六つの天気図から正
しいものを選ぶ、第五問の設問C。町と湖の位置関係、天気などから5番
の図を「正解」として選ばせる問題で、「寒冷前線の通過で天気が崩れて
気温も下がる」との内容が英文で説明されている。

 しかし、この寒冷前線は寒気が北東から南西に入る形で描かれており、
森田さんによると「あり得ない天気図」。地球の自転に伴う「コリオリの力」
(転向力)の影響で日本付近の天気図でも分かるように、北半球では寒
気が北西から入る。

 仮に出題の舞台が南半球だとしても、寒気は南極に近い南の方から入
るはずで、この図では赤道に近い北側から寒気が入ることになり「やはり、
あり得ない」という。

 図だけでなく、英文自体も間違った天気図を前提に記述され、寒気が北
東から南西へ押し寄せるという誤った説明となっている。森田さんは「学力
は総合的なもののはずだが、センター試験では英語と理科で学問が分断
されているのでは。気象を知っている受験生は迷って不利になったかもし
れない」と指摘している。
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元記事では天気図も掲載されていて、確かに北東側に寒気があって、
南西に進行するかのような寒冷前線が描かれています。
普通なら「なんじゃこりゃ?」という形であることに違いはないのですが、
「あり得ない天気図」かというと、そうでもないようです。

 永沢義嗣さんは「天気図の散歩道」で、
アメリカで見られる「裏口寒冷前線」(back-door cold front)
という現象を紹介しています。
この現象は、カナダまたはアメリカ北部を東西に伸びていた寒冷前線が
南下を始め、真南から時には南西に向けて進行するというもので、
通常の移動方向からすると「裏口」から攻め込んでくるように見えることから、
「裏口寒冷前線」と呼ばれているということです。

 日本付近でも、大変少ないながら、三陸沖から吹き込むヤマセの
冷涼風に関連して、似たような寒冷前線が描かれた事例があることが
紹介されています。

 ま、センター試験の英語問題の出題者が「裏口寒冷前線」の事例まで
知っていて出題したとも思えませんが、
気象予報士としては「あり得ないことではない」ということを知っておくのも
悪くはないのでは、と思う次第です。

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